再びVガンダムの頃 その2

 カントクはバイク戦艦を出すことによってスタッフの何人かが番組を離れてしまうのではないかと心配していたようでした。スタジオのひとりひとりにスケッチを見せて反応を探っていました。
 確かにバイク戦艦のカラースケッチをみた我々スタッフの反応は、当然ふたつに割れていたと思います。ただ、スポンサーのオーダーというのはTV番組をやっていれば当然あることなので、みな比較的冷静に受け止めていたようでした。
 私は実は賛成でした。どうせなら1話から出しておけばよかったのに、と思ったくらいでした。バイク戦艦と共にカントクが出したアイデア、輪っかメカがついたモビルスーツというのも実際に画面になると、代わり映えのしなかったモビルスーツのアクションシーンに変化とスピード感をもたらしました。このことは3クール目がフィルムになって動きはじめた頃、バイク戦艦を登場させることに忸怩たる思いがあったらしいカントクも認めていました。
 このバイク戦艦の件とともに、1年後Gガンダムを「格闘ガンダム」という企画に変更させたM役員には一目置かざるを得ません。こんな突拍子も無いTV向きなアイデアを、我々アニメ制作スタッフの方から提案できなかったという事こそが悔しいと思いました。

 Vガンが終わった時、もし映画用にまとめることがあるなら・・・という話しをカントクとしたことがあります。
 私は初っ端からのバイク戦艦登場を提案しました。
 カサレリアの丘の上でウッソとオデロ達がウーイッグの街の炎を見たとき、街を踏み潰すバイク戦艦のシルエットが黒々と浮かび上がるのです。これこそが憎々しく強大な敵・ザンスカール帝国の登場にふさわしい。衝撃を受けたウッソはシャッコーで飛び出してゆく…。

 Vガンは初めて設定制作として深くかかわらせてもらった番組で、忘れられない作品です。カントクはいろいろ言いますが、私としてはブレンパワード、ターンエーガンダム、キングゲイナー、リーンの翼、それぞれ事情は異なりますが、すべてVガンのリターンマッチの気持ちがあったから作れたと思っています。
 そのうちVガンとターンエーの関連性などについても書いてみたいです。

では、次回は広報のM君にお願いします。

河P