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zoom RSS 『バイストン・ウェル』を創った人

<<   作成日時 : 2006/05/18 11:43   >>

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と、言うわけで前回に引き続き現場のT口です。
今回は、『リーンの翼』の舞台であるバイストン・ウェルについての裏話でございます。


『バイストン・ウェル』を創った人

第1話のラスト、エイサップら地上人5人を巻き込んでオーラロードは開き、バイストン・
ウェルという
異世界への門を開きました。
第2話を御覧になられた方はお解かりの通り、

エイサップとリュクスが引き込まれた水の国、ワーラーカーレーン。
現世で生を受けなかった水子が花より生まれるクスタンガの丘。
水棲強獣と異様な虫たちが生息する湖畔。
ホウジョウ国、サコミズ王の力を顕示するかのようにそびえるヒップ・クレネ城。

第1話の岩国の街や軍事基地からは一転して、驚愕の異世界へと舞台を移しました。
劇中でエイサップや朗利たちが驚いていましたが、何も驚いたのは彼らだけではありません。
かく云う私も、バイストン・ウェルの世界設定には色んなイミで驚いた人間なのです。
色んなイミで。


『リーンの翼』で美術設定(劇中で舞台となるデザイン)をお願いしたのは、池田繁美さん。
『聖戦士ダンバイン』でもバイストン・ウェルを構築された方です。
地続きでないとは言え、バイストン・ウェルをお任せ出来るのはこの方だけでしょう。
しかもカントクとは長い付き合いをお持ちなので、ツーカーですよ。
なので、カントクの発注も雑把です。
例えばヒップ・クレネ城ですと・・・、

カントク「(王様の)サコミズの影響を大きく受けてて、城の周りは中東みたいな感じ。」

その二項目。
雑把です。大雑把過ぎます。
まあ、池田さんを信用してのことなんでしょうが・・・。
ところが、その雑把な発注で池田さんが起こしてくれたのが、あのヒップ・クレネ城。
巨大な軍艦のようなシルエット。その船底の部分は自然石であり、ブリッジの部分が
城にあたるというデザイン。
正直、驚きです。
あんな雑把な発注で、ここまで素晴らしいデザインになるとは。

喜々としてカントクに見せる私。
私   「富野さん、池田さんからイカス設定をいただきましたよ。」
カントク「おおっ!こう来たのね。おーぅ・・・」

目を見開くカントク。カントクの頭の中でギュンギュンと世界が広がっています。
嫌な予感。

カントク「ここだ。ここに城下町があって、ここが港だろ・・・、」

ブツブツ言いながら、デザイン画を見つつ何やら描き始めるカントク。
傍から見てるとかなり不気味です。

カントク「これを足してもらえるよう、池田さんにお願いしてみて。」

カントクから渡されたラフ画を見てみると、巨大戦艦風の城の周りに西洋風の街並みや
港が描き足されています。

中東はドコに行ったんだ?
二つしかなかった発注項目の一つを覆すとは怖ろしい。
嫌な予感的中です。
案の定、そのラフを持って池田さんに相談してみると、苦々しい顔をされていました。
そりゃそうでしょうな。
私だって驚きですもん。

ただ少しカントクのフォローをするとですね。
カントクは良い素材が上がってくると、それに触発されて自分でも思いつかなかった
アイデアが生まれてくるようなのです。だからこその描き足しであったり、手直しを
お願いしたりするんですね。これは他のクリエイターさんたちに対してもそうなのです。
ちなみに自分が手が出せないと思った所はノータッチなんですね。
今回で言えば、城の部分がそうでした。
フォローしとかないと、カントクの人格に誤解を持たれそうなので、とりあえず。

ともかく、池田さんの手によって、巨大な城と西洋風の街並みを持つホウジョウ国が
誕生したのでした。
メデタシメデタシ。

で、終わるわけではありません。
こんな裏話があるにも関わらず、私は某アニメ雑誌での設定コメントに、
「ヒップ・クレネ城は河Pのアイデア」
と、トチ狂ったことを載せてしまいました。

いやぁ、池田さんにはこの場を借りて、改めてお詫び申し上げます。
本当に申し訳ありませんでした。

さて、気を取り直して次回ですが、本編からは少し離れてのお話です。
お題は、「A.C.E.」。
ではでは。

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